十種大祓

とくさのおおはらえ

17

十種瑞宝の授与

高天原に神留り坐す皇神等の鋳顕し給ふ十種瑞津の宝を以てたかまのはらにかみづまりますすめがみたちのいあらはしたまふとくさみづのたからをもちて

天照国照彦天火明櫛玉饒速日命に授け給ふ事、誨へて曰くあまてるくにてるひこあまのほあかりくしたまにぎはやひのみことにさづけたまふことをしへてのたまはく

汝、此の瑞津の宝を以て中津国に天降り、蒼生を鎮め納めよいましこのみづのたからをもちてなかつくににあまくだりあをひとくさをしづめおさめよ

蒼生及び万物の病疾の事あらば、神宝を以て御倉板に鎮め置きてあをひとくさおよびよろづのもののやまひのことあらばかんだからをもちてみくらいたにしづめおきて

魂魄鎮祭を為して、瑞津の宝を布留べみたましづめまつりをなしてみづのたからをふるべ

其の神祝の詞に曰くそのかんほぎのことばにいはく

甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸きのえきのとひのえひのとつちのえつちのとかのえかのとみづのえみづのと

一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 瓊音ひふみよいむなやことにのおと

布留部 由良由良ふるべゆらゆら

如此祈所為ば、死共更に蘇生なむと誨へ給ふかくいのりせばまかるともさらにいきなむとをしへたまふ

天神御祖の御詔を稟け給ひて、天磐船に乗りてあめのかみのみおやのみことのりをかけたまひてあめのいはふねにのりて

河内国河上の哮峯に天降り坐してかはちのくにかはかみのいかるがみねにあまくだりまして

大和国排尾の山の麓、白庭の高庭に遷り坐して鎮斎し奉り給ふやまとのくにひきのやまのふもとしらにはのたかにはにうつりましていつきまつりたまふ

号して石上大神と申し奉りなづけていそのかみのおほかみとまうしたてまつり

代々神宝を以て、万物の為に布留部の神辞を以て司と為し給ふよよかんだからをもちてよろづのもののためにふるべのかみことをもちてつかさとなしたまふ

故に布留御魂神と尊み敬ひ奉るゆゑにふるのみたまのかみとたふとみうやまひたてまつる

皇子・大連・大臣、其の神武を以て斎に仕へ奉り給ふすめみこおほむらじおとどそのかむたけきをもちていつきにつかへたてまつりたまふ

物部の神社、天下万物聚類化出、大元の神宝は所謂もののべのかみやしろあめがしたよろづのもののたぐひなりいづるおほもとのかんだからはいはゆる

瀛都鏡 辺都鏡 八握剣おきつかがみへつかがみやつかのつるぎ

生玉 死反玉 足玉 道反玉いくたままかるがへしのたまたるたまちがへしのたま

蛇比礼 蜂比礼 品品物比礼おろちのひれはちのひれくさぐさのもののひれ

更に十種神、甲乙丙丁戊己庚辛壬癸、一二三四五六七八九十瓊音さらにとくさのかみきのえきのとひのえひのとつちのえつちのとかのえかのとみづのえみづのとひふみよいむなやことにのおと

布留部由良と由良加之奉る事の由縁を以て、平けく聞し食せとふるべゆらとゆらかしたてまつることのよしをもちてたいらけくきこしめせと

命長遠、子孫繁栄と、常磐堅磐に護り給ひ幸し給ひ、加持し奉るいのちながくしそんはんえいとときはにかきはにまもりたまひさきはひたまひかぢしたてまつる

神通神妙神力加持じんつうじんめうしんりきかぢ

現代語訳十種瑞宝の授与

高天原たかまのはら神々かみがみ顕しあらわし出しだし十種とくさ瑞宝みずのたからを、天照国照彦天火明櫛玉饒速日命あまてるくにてるひこあまのほあかりくしたまにぎはやひのみこと授けさずけつぎのように教えおしえ告げつげます。

注記

饒速日命の神名表記と神統譜には資料差があります。本ページは1908年刊本の長い神名を表示しています。

冒頭

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