猿田彦大神祝詞

さるたひこのおおかみのりと

13

天孫降臨

掛巻かけまくも畏かしこき猿田彦大神さるたひこのおほかみの宇豆うづの広前ひろまへに恐かしこみ恐かしこみも白まをさく

高天原たかまのはらに神留座かむづまります皇親神漏岐神漏美すめむつかむろぎかむろみの命以みこともちて、天あめの高市たかいちに八百万やほよろづの神等かみたちを神集かむつどへに集つどへ給たまひ、神議かむはかりに議はかり給たまひて

吾皇孫あがすめみまの命みことを豊葦原とよあしはらの水穂みづほの国くにを平安国やすくにと平たひらけく所知食しろしめせと、天あめの磐座押放いはくらおしはなち、天あめの八重雲やへぐもを伊豆いづの道別ちわきに道別ちわきて天降あもり依よさし奉まつりし時とき

天あめの八衢やちまたに立迎たちむかへ座ます神かみ、鼻はなの長ながさ七尺ななさ、背かせの長ながさ七尋余ななひろあま、亦口隠りまたくちかくれ明あかり、眼まなこは八咫鏡やたのかがみの如ごとく光ひかり輝かがやくこと赤酸醤あかすししほに似にたり

天あめの神かみの皇御孫すめみまを迎むかへ奉まつり、旦相待あしたあひまち、朝日あさひの向むかふ夕日ゆふひの照てらす日向ひむかの高千穂たかちほの櫛触くしふるの嶽たけに導みちびき給たまひて

遂つひに伊勢いせの狭長田五十鈴さながたいすずの川上かはかみに鎮座しづまりまし

皇御孫すめみまの命みことを導みちびき守まもり給たまひて、天下四方あめのしたよもの国安くにやすく穏おだひに

某それが家内やうちより起おこる騒擾無さわぎなく、外ほかより来きたる災無わざはひなく、夜よの守まもり日ひの守まもりに平たひらけく安やすらけく幸さきはへ給たまへと

乞祷白こひのみまをす事ことを聞きこし食めせと恐かしこみ恐かしこみも白まをす

現代語訳天孫降臨

意訳を含みます

畏れ多いおそれおおい猿田彦大神さるたひこのおおかみの御前みまえに、謹んでつつしんで申し上げますもうしあげます。高天原たかまのはらの祖神そしんたちの命いのちにより、数多くかずおおくの神々かみがみが集いつどい相談そうだんし、皇孫こうそんに豊葦原とよあしはらの瑞穂みずほの国くにを穏やかにおだやかに治めるおさめるよう託したくして、天からてんからお降しくだしになりました。

注記

この祝詞は1891年刊本に見える近代の詞章です。冒頭の天孫降臨叙述を、記紀の本文と同一の古代祝詞とは扱いません。

冒頭

天孫降臨1 / 3

猿田彦大神祝詞

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猿田彦大神祝詞

猿田彦大神祝詞について

概要

天孫を天の八衢から五十鈴川へ導いた猿田彦大神の働きを称え、道中と日々の暮らしの平安を願う近代の祝詞です。

構成
3節
本文量
338字
注記
3件

この祝詞で願うこと

  • 猿田彦大神の導きを称えること
  • 道中の安全を願うこと
  • 家と暮らしの平安を願うこと

神々・対象

猿田彦大神
天孫を導き、道中と暮らしを守る神
瓊瓊杵尊
猿田彦大神に導かれて天降る天孫

由来と位置づけ

天孫降臨神話を踏まえて構成され、1891年刊本に収められた近代の詞章です。古代記紀の本文そのものではなく、猿田彦大神への崇敬と生活上の願いを結んだ祝詞です。

本文の流れ

全3節で、「天孫降臨」から「導きと守り」までをたどります。

読む前に知っておきたいこと

  • 天孫降臨、天の八衢から五十鈴川への導き、日々の守護へ進みます。

  • 冒頭の神話叙述は、この近代祝詞が示す称え方として読みます。

  • 「某」は奏上する家や人に応じて読み替える箇所です。

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