六月月次祭祝詞

みなづきのつきなみのまつりののりと

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六月の月次幣帛

集侍うごなはれる神主かむぬし祝部等はふりどももろもろ聞しきこし食せめせ宣るのる

高天原たかまのはら神留りかむづまり皇睦神漏伎命すめらがむつかむろぎのみこと神漏弥命かむろみのみこと以ちてもちて

天社あまつやしろ国社くにつやしろ称辞竟たたへごとをまつ皇神等すめがみたちまへまをさく

今年ことし六月みなづき月次つきなみ幣帛みてぐら

明妙あかるたへ照妙てるたへ和妙にぎたへ荒妙あらたへそなまつりて

朝日あさひ豊逆登とよさかのぼり皇御孫命すめみまのみこと宇豆うづ幣帛みてぐら称辞竟たたへごとをまつらくと

大御巫おほみかむ辞竟このことをまつ皇神等すめがみたちまへまをさく

神魂かみむすび高御魂たかみむすび生魂いくむすび足魂たるむすび玉留魂たまつめむすび大宮乃売おほみやのめ大御膳都神おほみけつかみ辞代主ことしろぬし御名みなまをして

皇御孫命すめみまのみこと御世みよ手長たなが御世みよ堅磐かきは常磐ときはいはまつ

いかしの御世みよさきはへまつるがゆゑ

皇吾睦神漏伎命すめらあがむつかむろぎのみこと神漏弥命かむろみのみこと皇御孫命すめみまのみこと宇豆うづ幣帛みてぐら称辞竟たたへごとをまつらくと

座摩ゐがすり御巫みかむ辞竟このことをまつ皇神等すめがみたちまへまをさく

生井いくゐ栄井さくゐ津長井つながゐ阿須波あすは婆比支はひぎ御名みなまをして

皇神すめがみした磐根いはね宮柱太知みやばしらふとし

高天原たかまのはら千木高知ちぎたかしりて皇御孫命すめみまのみことみづ御舎みあらかつかまつりて

あめ御蔭みかげ御蔭みかげかくして四方よもくに安国やすくにたひらけくろしすがゆゑ

皇御孫命すめみまのみこと宇豆うづ幣帛みてぐら称辞竟たたへごとをまつらくと

御門みかど御巫みかむ辞竟このことをまつ皇神等すめがみたちまへまをさく

櫛磐間門命くしいはまとのみこと豊磐間門命とよいはまとのみこと御名みな白してまをして

四方よも御門みかど湯津磐村ゆついはむらごとさやますして

あしたには御門みかどひらまつり、ゆふべには御門みかどまつりて

うとぶるものしたよりかばしたまもり、うへよりかばうへまも

まもりまもりまもまつるがゆゑ

皇御孫命すめみまのみこと宇豆うづ幣帛みてぐら称辞竟たたへごとをまつらくと

生嶋いくしま御巫みかむ辞竟このことをまつ皇神等すめがみたちまへまをさく

生国いくくに足国たるくに御名みなまをして

皇神すめがみしま八十嶋やそしま

谷蟆たにぐく狭度さわたきはみ、塩沫しほなわとどまるかぎ

くにひろく、さがしきくにたひらけく、しま八十嶋堕やそしまおつる事無ことな

皇神等すめがみたちさしまつるがゆゑ皇御孫命すめみまのみこと宇豆うづ幣帛みてぐら称辞竟たたへごとをまつらくと

辞別ことわけて伊勢いせ天照太御神あまてらすおほみかみ大前おほまへまをさく

皇神すめがみ見霽みはるかし四方よもくに

あめ壁立かきたきはみ、くに退立そきたかぎり、青雲あをぐもたなびきはみ、白雲しらくも墜坐向伏おりゐむかぶかぎ

青海原あをみはら棹柁干さをかぢほさず、ふねいたとどまるきはみ、大海おほわた舟満ふねみちつづけて

くがよりみち緒縛をゆかためて、磐根木根履いはねきねふみさくみて

うまつめいたとどまるかぎり、長道間ながちひまなくちつづけて

くにひろく、さかしきくにたひらけく

とほくに八十綱打掛やそつなうちかけてすることごと皇太御神すめおほみかみさしまつらば

荷前のさき皇太御神すめおほみかみ大前おほまへ横山よこやまごと打積うちつきて、のこりをばたひらけくきこさむ

また皇御孫命すめみまのみこと御世みよ手長たなが御世みよ堅磐かきは常磐ときは斎ひいはひ奉りまつり茂しいかし御世みよ幸はへさきはへ奉るまつるゆゑ

皇吾睦神漏伎すめらあがむつかむろぎ神漏弥命かむろみのみこと宇事物頸根うじものうなね衝きつき抜きてぬきて

皇御孫命すめみまのみこと宇豆うづ幣帛みてぐら称辞竟たたへごとをまつらくと

御県みあがた皇神等すめがみたちまへ白さくまをさく

高市たけち葛木かづらき十市とほち志貴しき山辺やまのべ曽布そふ御名みなまをして

つの御県みあがたづる甘菜あまな辛菜からな参来まゐき

皇御孫命すめみまのみこと長御膳ながみけ遠御膳とほみけきこすがゆゑ

皇御孫命すめみまのみこと宇豆うづ幣帛みてぐら称辞竟たたへごとをまつらくと

山口やまのくち皇神等すめがみたちまへ白さくまをさく

飛鳥あすか石寸いはれ忍坂おさか長谷はつせ畝火うねひ耳無みみなし御名みなまをして

遠山とほやま近山ちかやまてる大木おほぎ小木をぎ本末打切もとすゑうちきりて参来まゐき

皇御孫命すめみまのみことみづ御舎仕みあらかつかまつりて

あめ御蔭みかげ御蔭みかげかくして四方よもくに安国やすくにたひらけくろしすがゆゑ

皇御孫命すめみまのみこと宇豆うづ幣帛みてぐら称辞竟たたへごとをまつらくと

水分みくまり皇神等すめがみたちまへ白さくまをさく

吉野よしぬ宇陀うだ都祁つげ葛木かづらき御名みなまをして

皇神等すめがみたちさしまつらむおき御年みとし八束穂やつかほのいかしさしまつらば

皇神等すめがみたち初穂はつほかひにもしるにも

みか上高知へたかしり、みか腹満はらみならべて称辞竟たたへごとをまつりて

遺りのこりをば皇御孫命すめみまのみこと朝御食あさみけ夕御食ゆふみけのかむかひに

長御食ながみけ遠御食とほみけ赤丹あかにきこすがゆゑ

皇御孫命すめみまのみこと宇豆うづ幣帛みてぐら称辞竟へたたへごとをへ奉らくまつらくもろもろ聞しきこし食せめせ宣るのる

辞別けてことわけて忌部いみべ弱肩よわがた太繦ふとだすき取りとり掛けてかけて

ちゆまはりつかまつれる幣帛みてぐら

神主かむぬし祝部等はふりども受けうけ賜はりてたまはりて事過たずことあやまたず捧げささげ持ちてもちて奉れたてまつれ宣るのる

現代語訳六月の月次幣帛

意訳を含みます

参集さんしゅうした神主かんぬし祝部はふりべに、よく聞くきくよう命じますめいじます高天原たかまのはら鎮まるしずまる皇祖こうそ神々かみがみ御心みこころにより、天つ社あまつやしろ国つ社くにつやしろ神々かみがみへ、今年六月ことしろくがつ月次祭つきなみのまつり幣帛へいはくをさまざまなぬのとして整えととのえ朝日あさひ昇るのぼるとき称えてたたえて奉るまつる申し上げますもうしあげます

注記

原文は十二月には「今年十二月の幣帛」と読み替えるよう指示しています。

冒頭

六月の月次幣帛1 / 10

六月月次祭祝詞

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六月月次祭祝詞

六月月次祭祝詞について

概要

六月と十二月の月次祭で諸神へ幣帛を奉り、御代、宮、国土、御膳、山水を支える神々の守りをたたえる古代の祝詞です。

構成
10
本文量
1436
注記
3

この祝詞で願うこと

  • 月次祭の幣帛を諸神へ奉ること
  • 御代と宮中の平安を願うこと
  • 国土・食物・水の恵みを願うこと

神々・対象

神祇官の八神・座摩神・御門神・生島神ほか
宮中と国土を支える神々
天照大神
四方の国と御代に関わる神として奉幣する対象
御県・山口・水分の神々
食物、御殿の木、水と初穂を支える神々

由来と位置づけ

『延喜式』巻八に伝わる月次祭の祝詞です。六月の形を基本とし、十二月には月名を読み替えて同じ祭の系統として奏上します。

本文の流れ

全10節で、「六月の月次幣帛」から「幣帛奉納の結び」までをたどります。

読む前に知っておきたいこと

  • 十節を通じて宮中から国土、食物、山、水へ祈りが広がります。

  • 祈年祭祝詞と多くの構成を共有しますが、月次の奉幣が中心です。

  • 「座摩」や国土を表す比喩など、古い語法を含みます。

六月月次祭祝詞

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