恵美須神祝詞

えびすじんのりと

13

国譲りと事代主命

掛巻かけまくも畏かしこき八重事代主神やへことしろぬしのかみの広前ひろまへに白まをさく

皇親神漏岐すめむつかむろぎ神漏美かむろみの命みこと以てもちて、皇御孫之命すめみまのみことの豊葦原とよあしはらの水穂みづほの国くにを安国やすくにと所知食さんしろしめさんと神問しかみとひに問し給ふとひたまふ時とき

大神おほかみは出雲国三穂いづものくにみほの崎さきに遊行座あるきまして、鳥遊魚取とがりいさとりを楽座たのしまして、中国なかつくにを立処たちどころに皇御孫命すめみまのみことに奉たてまつらせ給たまへと白給まをしたまひて

海中うなばらに八重蒼柴垣やへあをふしがきを造つくり、船ふねの舳へを踏ふみて避給さりたまひき

如此避給かくさりたまふは、親おやに孝したがひ君きみに忠まめなる道みちを呉竹くれたけの世々よよに垂給たれたまへる広ひろく厚あつき神徳みいきほひなるが故ゆゑに

今いまも仰あふぎ尊たふとみ奉まつりて、貴たかきも賎いやしきも家内やうちの神祇かみたちに斎鎮奉いつきしづめまつれり

又十月二十日またじふぐわつはつかには世よの言葉ことぐさに恵美須祭えみすまつりと称奉たたへまつりて、市人いちびとの家家いへいへに祭まつれる由よしは

食国をすくにの御法みのりを天下あめがしたの公民おほみたからの過ちあやまち犯すをかす事こと無くなく、明きあかき浄ききよき直きなほき真心まごころを以てもちて家いへを治めをさめ業わざを勤むるつとむる事ことを緩怠るたゆむ事こと無くなく

樛とがの木きの弥嗣々いやつぎつぎに万代よろづよまで、玉葛絶たまかづらたゆる事無ことなく、平たひらけく安やすらけく富栄仕奉とみさかえつかへまつらしめ給たまへと言寿ことほぎて

由貴ゆきの御膳みけ、由貴ゆきの御酒みきを海山うみやまなす置足成おきたりなして

今日けふの朝日あさひの豊栄登とよさかのぼりに称辞竟奉たたへごとをへまつると恐かしこみ恐かしこみも白まをす

現代語訳国譲りと事代主命

意訳を含みます

畏れ多いおそれおおい八重事代主神やえことしろぬしのかみの御前みまえに申し上げますもうしあげます。豊葦原とよあしはらの瑞穂みずほの国くにを皇孫こうそんが治めるおさめることについて問われたとわれた時とき、出雲国いずものくにの三穂の崎みほのさきで鳥とりを追いおい魚さかなを捕っていたとっていた大神おおかみは、国くにを皇孫こうそんへ差し上げるさしあげるよう答えこたえ、海上かいじょうに幾重いくえもの青柴垣を作りあおふしがきをつくり、船の舳を踏んでふねのへさきをふんで身を退いたみをしりぞいたと述べますのべます。

注記

本ページは事代主命を恵美須神として称える一系統の祝詞です。西宮神社のように蛭児大神をえびす大神とする伝承もあり、唯一の同一神説ではありません。

冒頭

国譲りと事代主命1 / 3

恵美須神祝詞

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恵美須神祝詞

恵美須神祝詞について

概要

事代主命を恵美須神として称え、神饌と神酒を奉り、家業と家族の平安・繁栄を願う近代の祝詞です。

構成
3節
本文量
371字
注記
3件

この祝詞で願うこと

  • 恵美須神へ神饌と神酒を奉ること
  • 家業の繁栄を願うこと
  • 家族と暮らしの平安を願うこと

神々・対象

事代主命・恵美須神
家業と暮らしの平安・繁栄を願う神

由来と位置づけ

事代主命をえびす神として奉斎する系統に立ち、1891年刊本に収められた家内祭祀の詞章です。えびす神には蛭児大神を祀る系統もあり、本詞は信仰全体の唯一の神統を示すものではありません。

本文の流れ

全3節で、「国譲りと事代主命」から「御食と御酒」までをたどります。

読む前に知っておきたいこと

  • 国譲りの由来、家業と栄え、御食と御酒の奉献へ進みます。

  • 十月二十日という日付は近代の家内祭祀の一作例で、全地域共通の日程ではありません。

  • 「由貴」は清浄で神聖な供物を表す祭祀語です。

恵美須神祝詞

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