船玉神祝詞

ふなたまのかみのりと

14

船玉大神の御稜威

掛けまくかけまく畏きかしこき船玉大神ふなだまのおほかみ宇豆うづ広前ひろまへに、畏みかしこみ畏みかしこみ白さくまをさく

大神おほかみ霊異くしび奇しきあやしき御稜威みいつ坐してまして顕見蒼生うつしきあをひとくささいはひ守りまもり給ひたまひ助けたすけ給ふたまふかみになも坐しけるましける

やま行かばゆかば山路やまぢ開きひらき給ひたまひをか行かばゆかば陸道くがみち導きみちびき給ひたまひ

河川かはかはにははし渡してわたして行きゆき渡るわたること教へおしへ給ひたまひ

はし及ばぬおよばぬ大海原おほうなばらにはふね造りてつくりて千里ちさとうら行きゆき通ふかよふこと教へおしへ給ふたまふ

ゆゑ山口やまくちには手向たむけかみ崇めあがめ祭りまつり阡陌ちまたには道祖神だうろくじん斎ひいはひ奉りまつり

海上うなのへにては船玉ふなだまかみ仰ぎあふぎ祭るまつる

いと畏きかしこき底意そこい知れぬしれぬ海原うなばら自由自在こころのまま往来るゆきかふは、大御神おほみかみ恩頼みたまのふゆにこそと

いま大広前おほひろまへうつ御酒みき雑々くさぐさもの捧げささげ称辞たたへごと竟へをへ奉るまつる

かたち聞しきこし食しめしあひうづなひ給ひてたまひて風波かぜなみわざはひなく、こころまま平らかにたいらかに安らかにやすらかに通行らしめかよはしめ

恵みめぐみ幸へさきはへ給へたまへと、畏みかしこみ畏みかしこみ白すまをす

現代語訳船玉大神の御稜威

意訳を含みます

畏れ多いおそれおおい船玉大神ふなだまのおおかみ尊いとうとい御前みまえに、謹んでつつしんで申し上げますもうしあげます大神おおかみ霊妙れいみょう不思議ふしぎ御威徳ごいとく備えそなえ、この生きるいきる人々ひとびと幸いさいわい守りまもり助けたすけかみであると称えたたえます。

注記

「霊異しく奇しき」は、底本の読みと文脈に沿って霊妙で不思議な働きとまとめました。「顕見蒼生」は現世に生きる人々の意に限定して訳しています。

冒頭

船玉大神の御稜威1 / 4

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船玉神祝詞

船玉神祝詞について

概要

船玉大神が道・橋・船を通じて人々を導く働きを称え、陸路と海路の平穏な往来を願う近代の祝詞です。

構成
4
本文量
294
注記
3

この祝詞で願うこと

  • 船玉大神の導きを称えること
  • 陸路と海路の安全を願うこと
  • 目的地までの平穏な往来を願うこと

神々・対象

船玉大神
道・橋・船を通じて人を導き、往来を守る神

由来と位置づけ

道の神・船の神に関する諸伝承を一柱の働きとしてまとめ、1891年刊本に収めた近代の詞章です。手向の神・道祖神・船玉神を、すべての伝承で同一と断定するものではありません。

本文の流れ

全4節で、「船玉大神の御稜威」から「海上の平穏を願う」までをたどります。

読む前に知っておきたいこと

  • 御稜威、道・橋・船の導き、道と海での称え、海上の願いへ進みます。

  • 道程ごとの呼び名は、この詞章内で一柱の働きを重ねたものとして読みます。

  • 安全祈願は、実際の気象・航路・装備の確認に代わるものではありません。

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