瑞の御殿と御衣
高天の原に神留り坐す皇親神漏伎・神漏美の命を以ちて
皇御孫之命は豊葦原の水穂国を安国と定め奉りて
下津磐根に宮柱太敷き立て高天の原に千木高知りて
天の御蔭・日の御蔭と称辞竟へ奉りて奉る御衣は上下備へ奉りて
幣帛と山海の供物
宇豆の幣帛は明妙・照妙・和妙・荒妙・五色物
御酒は甕の辺高知り甕の腹満て並べて
山野の物は甘菜・辛菜
青海原の物は鰭広物・鰭狭物・奥津海菜・辺津海菜に至るまでに
雑物を横山の如く置き高成して
一年の鎮まり
献る宇豆の幣帛を安幣帛の足幣帛と平らけく聞し食して
皇らが朝庭を常磐に堅磐に斎ひ奉り茂し御世に幸へ奉り給ひて
此の十二月より始め来る十二月に至るまでに
平らけく御坐所に御坐さしめ給へと
今年十二月の某の日に斎ひ鎮め奉らくと申す
現代語訳瑞の御殿と御衣
意訳を含みます
皇祖の神々の御心によって豊葦原の水穂国を安らかな国と定め、堅固な宮柱と高い千木を備えた御殿を、天と日の御蔭として称えます。そして上下の御衣を整えて奉ります。
意訳を含みます
尊い幣帛としてさまざまな布と五色の品を整え、甕を満たす御酒、山野の菜、海の魚や海藻など多くの供物を、横山のように積み供えます。
意訳を含みます
この尊い幣帛を十分な供え物として穏やかに受け、朝廷と御代を岩のように末永く守り栄えさせてください。この十二月から次の十二月まで、御座所に穏やかに鎮まっていただくよう、今年十二月の定めた日に斎い鎮め申し上げます。
注記
國學院大學は、鎮魂祭で用いた御衣・魂緒を御魂の代わりとして御座所に鎮める祭祀上の意味を指摘しています。本文にない「魂緒」は訳文へ補っていません。
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