儺祭詞

なのまつりのことば

13

諸霊と兵馬の配置

今年今月今日今時こんねんこんげつこんにちこんじ、時上直符じじょうちょくふ、時上直事じじょうちょくじ、一人一事いちにんいちじ、時下直符じげちょくふ、時下直事じげちょくじ、及山川禁気およびさんせんきんき、江河谿壑こうがけいがく、二十四君にじふしくん、千二百官せんにひゃくかん、兵馬九千万人へいばきうせんまんにん

衆諸もろもろの前後左右まへしりへひだりみぎに位置ところどりて、各おのもおのもその方かたのまにまに明あきらかに位くらゐを定さだめて候さもらふべし

大宮おほみやの内うちに神祇官じんぎくわんの宮主みやじの斎いはひ奉まつり敬うやまひ奉まつる天地あめつちの諸もろもろの御神等みかみたちは、平たいらけく穏おだひに坐いまさふべしと申まをす

事別ことわきて詔のり給たまはく、穢きたなく悪あしき疫えやみの鬼おにの所所村村ところどころむらむらに蔵かくり隠こもらふるをば、千里せんりの外ほか、四方よもの堺さかひ

東ひむがしの方かたは陸奥みちのく、西にしの方かたは遠とほつ値嘉ちか、南みなみの方かたは土佐とさ、北きたの方かたは佐渡さどより彼方をちの所ところを、汝等疫なむだちえやみの鬼おにの住処すみかと定さだめ給たまひ

五色いついろの宝物たからもの、海山うみやまの種種くさぐさの味物ためつものを給ひてたまひて、罷け給ひまかけたまひ移し給ふうつしたまふ所所方方ところどころかたがたに急にすみやかに罷きまかり往ねいねと追ひ給ふおひたまふと詔るのる

邪よこしましき心こころを挟さしはさみて留とまり隠かくらば、大儺おほなの公きみ・小儺せうなの公きみ、五いつつの兵つはものを持もちて追おひ走はしり刑つみし殺ころさむものぞと聞きこし食めせと詔のる

現代語訳諸霊と兵馬の配置

意訳を含みます

この年とし、この月つき、この日ひ、この時ときをつかさどる符ふと役目やくめ、山川やまかわ・河川かせん・谷たにに関わるかかわる諸力しょりょく、二十四にじゅうよんの君きみ、千二百せんにひゃくの官かん、九千万きゅうせんまんの兵馬へいばへ呼びかけますよびかけます。それぞれが前後左右ぜんごさゆうの定められたさだめられた位置いちに明あきららかに控えひかえるよう命じますめいじます。

注記

冒頭は原注で音読とされる漢語的な召請句です。個々の数詞・官名の対象には研究上の議論があります。

冒頭

諸霊と兵馬の配置1 / 3

儺祭詞

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儺祭詞

儺祭詞について

概要

年末の追儺で諸霊と兵馬を配置し、天地の安寧を宣べ、疫鬼へ供物を与えて境外へ退くよう命じる歴史的な祭文です。

構成
3節
本文量
333字
注記
3件

この祝詞で願うこと

  • 年末に疫鬼を境外へ送ること
  • 天地と宮中の安寧を願うこと
  • 追儺の儀礼上の命令を宣告すること

神々・対象

天地の神々・諸霊
追儺の場で安寧と配置を宣べる対象
疫鬼
供物を受け取り境外へ退くよう命じられる対象

由来と位置づけ

『延喜式』巻十六の陰陽寮式に伝わる追儺の祭文です。通常の和文祝詞とは異なる漢語的な召請句と、疫鬼への強い退去命令を含みます。

本文の流れ

全3節で、「諸霊と兵馬の配置」から「疫鬼への退去命令」までをたどります。

読む前に知っておきたいこと

  • 諸霊と兵馬、天地の安寧、疫鬼への命令という三段階です。

  • 冒頭は音読とされる漢語的な句で、数詞や官名の対象には研究上の議論があります。

  • 歴史的儀礼の文言であり、現代の病者や地域を排斥する意味には用いません。

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