大国主神祝詞

おおくにぬしのかみのりと

13

国づくりと神名

掛巻かけまくも畏かしこき大国主神おほくにぬしの宇豆かみのうづの広前ひろまへに慎つつしみ敬うやまひ畏かしこみ畏かしこみも白まをさく

古いにしへ此この国荒芒くにあれすさびの世よい、磐根木根立草はねきねたちくさの片葉かきはも能よく強暴あらぶるときあめの時し、天下たを経修へつくり給たまへば国作大己貴神くにつくりおほなむちのかみと申まをし

武たけく強つよき勢いきほひ在あれば葦原あしはらの醜男しこをと申まをし、天あめの広戈ひろほこを振ふりて邪鬼まがつものを撥平はらひたひらげ、語問こととひし木草きくさの類たぐひを摧伏くだし給ふせたまへば八千矛やちほこの神かみと申まをし

諸もろもろの不和順神等まつろはぬかみたちを和順まつろはし、国くにを持もち給たまへば大国主神おほくにぬしのかみと申まをし

此この神かみの住すませ給たまへる宮みやは千尋ちひろの栲縄たくなはを以もちて結むすびて百余ももあまり八十結やそむすび、木柱きばしらは高たかく太ふとく板いたは広ひろく厚あつく造つくり

又祭祝またまつりの主ぬし、諸もろもろの司つかさに備そなはれば大物主神おほものぬしのかみと申まをし、神光海原かむひかりうなばらに照てらし幸魂奇魂さきみたまくしみたまを三諸山みもろやまに鎮しづめ給たまへば大国玉神おほくにたまのかみと申まをし

世よを治をさむる顕露あらはの事ことを皇孫尊すめみまのみことに依よさし奉まつり、神事かみごとを治をさめ給たまふ御身おほみに瑞みづの八坂瓊やさかにを被かづき、寂然長隠給しづかにながくかくれたまへば顕国玉神うつしくにたまのかみと申まをす

顕見蒼生及うつしきあをひとくさおよび畜けもの為のために其その病やまひを療をさむる方みちを定さだめ、鳥獣昆虫とりけものはふむしの災わざはひを払はらはむ為ために其その禁厭まじなひの法みちを定さだめ給たまふ

是これを以もちて百姓今おほみたからいまに至いたるまで皆恩頼みなみたまのふゆを蒙かがふれりと称辞竟たたへごとをへ奉まつり

宇豆うづの御食みけ、宇豆うづの御酒みき、宇豆うづの御幣みてぐらを朝日あさひの豊栄登とよさかのぼりに捧ささげ奉まつり、平たひらけく安やすらけく聞きこし食めせと恐かしこみ恐かしこみも白まをす

現代語訳国づくりと神名

意訳を含みます

畏れ多いおそれおおい大国主神おおくにぬしのかみの御前みまえに、謹んでつつしんで申し上げますもうしあげます。国くにがまだ荒々しかったあらあらしかった時ときに国土こくどを整えたととのえた働きはたらきから国作大己貴神くにつくりおおなむちのかみ、強い力つよいちからで邪なるものまがなるものや言葉ことばを立てたてる草木くさきを鎮めしずめた働きはたらきから葦原の醜男あしはらのしこお、八千矛神やちほこのかみ、従わないしたがわない神々かみがみを和らげやわらげて国くにを治めおさめた働きはたらきから大国主神おおくにぬしのかみと、この祝詞のりとは称えたたえます。

注記

神名同士の関係には資料ごとの違いがあります。ここでは1891年刊本が示す称え方を説明し、唯一の系譜・同一神説として断定しません。

冒頭

国づくりと神名1 / 3

大国主神祝詞

前回の続きがあります

前回読んでいたところから再開しますか?

大国主神祝詞

大国主神祝詞について

概要

国づくりと人々の暮らしを整えた大国主神の働きを称え、神殿に神饌を奉って守護を願う近代の祝詞です。

構成
3節
本文量
419字
注記
3件

この祝詞で願うこと

  • 大国主神の国づくりを称えること
  • 神饌を奉ること
  • 暮らしと国土の守護を願うこと

神々・対象

大国主神
国づくり、幽事、暮らしの守護を担う大神

由来と位置づけ

大国主神の国づくり・幽事・医薬などの伝承をまとめ、1891年刊本に収めた近代の詞章です。神名同士の関係は、この本文が示す一つの称え方として扱います。

本文の流れ

全3節で、「国づくりと神名」から「医薬と供え物」までをたどります。

読む前に知っておきたいこと

  • 国づくりと神名、神殿と幽事、医薬と供え物という三節です。

  • 複数の神名を唯一の同一神説として断定せず、詞章内の称号として読みます。

  • 医薬・禁厭の記述は神話上の働きであり、現代医療の効果を述べるものではありません。

大国主神祝詞

目次

大国主神祝詞

表示設定

組方向
読みの補助
言語English
文字サイズ
100%
配色
読む速さ

大国主神祝詞

訳文・訂正を送る

より自然な現代語訳の提案や、本文・読みの誤りがあればお知らせください。内容を確認してから反映します。