斎場へ神々を迎える
此の小床平の厳の真屋と斎ひ定めて、請ひ奉り坐せ奉る
掛巻も畏き大穴牟遅命・少彦那命を始め奉り、御酒に功在る皇神等の大前に告げ奉らく
神代から受け継ぐ酒造り
遠つ神代に皇神等の御酒を醸み成す神事を始め給ひ教へ給ひし随に
其の業を受け継ぎ持ち伝へて、年毎に造り醸せる御酒を
御酒と幣帛を奉る
美酒の甘酒との足幣帛と聞こし食して
酒造りの継続を願う
今も往前も酒造児等が朝に夕に励み勤み、醸み成す御酒を
事なぐし恵ぐしと成し幸へ坐して、弥遠に弥長に造らしめ仕へ奉らしめ給へと
畏み畏みも称辞竟へ奉らくと白す
現代語訳斎場へ神々を迎える
意訳を含みます
この祭場を厳かに斎い定め、神々をお迎えします。大穴牟遅命・少彦那命をはじめ、酒造りに功のある神々の御前に、畏れ敬って申し上げます。
注記
「小床平」は刊本の表記と読みを残しました。祭場の一部を指す語とみて限定的に訳していますが、逐語的な解釈には検討の余地があります。
遠い神代に、神々が御酒を醸す神事を始め、教えられたことに従い、その技を受け継いで伝え、年ごとに御酒を造り醸してきました。
注記
本文が語る酒造りの起源と継承を、そのまま歴史的・祭祀的な叙述として示しています。
意訳を含みます
この美酒と甘酒を、満ち足りた幣帛とともにお受け取りください。
注記
「足幣帛」は十分に整えた奉献物という文脈で訳しました。
意訳を含みます
これからも酒造りに携わる人々が朝夕励み、醸す御酒が滞りなく恵みあるものとなるようお守りください。そして末永く酒を造り、神々へお仕えできるようにしてくださいと、畏れ敬って申し上げます。
注記
「事なぐし恵ぐし」は語義を確定せず、前後の祈願から「滞りなく恵みあるもの」と限定的に再構成しました。品質・安全・事業上の結果を保証するものではありません。
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